久々のちょっと長くなりそうなMagazineです。
先月発売したROZQ Tempest F123ですが、ダブル・ギア(現行のXCE10-8)、100Vモデル・コードレス全てに使える上位互換品と自称するスペックアップツールで、FLEXユーザー様から非常に高いご支持をいただいております。
実際に使用してみると驚くほどの安定性とパワーのダイレクト感を回転直後からご体感頂けるほどの出来となっています。未だお試しになっていない方はぜひ埼玉の店頭か、Youtube動画などでご確認下さいませ。
こちらは企画・試作・製造・アッセンブル全ての工程を日本国内で行っています。海外製のポリッシャーのアフターパーツをメイドインジャパンに拘るのもちょっとおかしな話に見えるかもしれませんが、ROZQブランドに関してはこの「全て日本で」という部分に拘りを持っています。
I love ニッポン
まず私たちは日本国内のお客様をメインの商圏にしています。となれば、日本の市場自体を活性化することは決してマイナスな事ではありません。当然、物価の高い日本で製造する事は仕入れ単価は高くなりがちですが、それでも日本の事業者に拘っているのは自分たち 日本の業者 自身に高い価値があると意識づけをしたいという側面もあります。
また、海外事業者には伝わらないニュアンスも日本国内でなら伝える事ができ、顕現する事ができる・できないをサプライヤー様から直に伝えてもらえるし、できないなら代替案を出してもらえる事もあり、想定するスペックから品質が下がる事を防ぐ事ができます。
実際に幾つかの工程や部材仕入れの段階で難しい課題に直面する事がありましたが、目的である「FLEXの出力を活かして切れるダブル・ギヤに生まれ変わらせる」という事が結果的に可能となったのは、さまざまな代案や意見があったからでした。これらのソリューションはもうすぐ発売となる「S115」というモデルにも活かされています。
そもそもですが、日本という国(というより風土?)とか家族、ご先祖様や友人知人のいるこの土地が好きだから、日本に今後ももっともっと発展し続けてもらいたい、と思うわけです。そこに1個あたり数百円から数千円程度の売値の違いが発生したとしても「同じ日本人なんですから付き合ってくださいよ〜、僕らめっちゃ頑張ったんですよ〜」と言いたいのです。
もちろん、これとは別にアメリカも大好きです。Aboutのページにも書いてありますが、車に高いモチベーションのあった古き良きアメリカのイメージを会社全体で大切にしています。I love USA too!
スペックももちろん良いのだ
マインドの話はこんなところです。ですがいくら日本で作られたものだからって言っても、使えなかったら義理人情で買ってもらうただのオブジェになってしまいます。Bulletでは義理人情で買って頂くことよりもお客様のお役に立つことを重視しており、これを続ける事で末長くお付き合いをさせて頂けると考えています。
先述の「FLEXを生まれ変わらせて、仕事に役立ててもらう=いい仕事をしてもらってお金に変えてもらう」事が最も重要な目的となっていますので、ぜひそこをご紹介させて下さい!
まず、今回最も純正から見直したかった点はズバリ「安定化」です。パッドそのものを薄くすることで、ポリッシャー全体の重心を下げることができ、回転運動時のロール軸を下げる事ができます。特に回転工具の場合、わずか1センチ下がるだけでも驚くような安定性が生まれる事があります。
低重心だけではない、重量配分
アルミパッド化は今や珍しいカスタム方法ではありません。ルペスをはじめとして様々なポリッシャー用のアルミ(メタル)パッドが発売されています。KAISERWHEELも同様です。しかし私たちがこのアルミパッドに求めているものは「重心を下げること」ではありません。「安定させて不要な打痕を抑えながら研磨力を上げること」こそが目的であり、結果的に「早く、美しく仕上がる」のです。
で、この重心下げる他に工夫しているのが回転時の動的バランスです。これは重量であり、形状なのですが、一朝一夕では当然うまくいかず、何枚もの試作を重ねて現在の形状と重量になったことで完成しました。
完成した形状は従来のKAISERWHEELとは全く異なる形状ですが、非常に良好な重量バランスを得ています。と同時にとある項目を純正パッドより進化させています。
空冷フィン形状
まるで迷路のような紋章のような形状は、FLEX PROTONの特徴的なパッド取り付けボルト配置に最適化させた空冷フィンの形状になっています。研磨熱を出して磨く方も中にはいらっしゃいますが、極力熱を効率的に放出して研磨面とポリッシャー本体を冷却する事もこのF123の目的の一つになっています。
例えばスパイラル形状にしたり扇風機の羽のような形状もできることはできるのでしょうが、外気との接触面積を増やすほど放熱はし易いものなので、あえてこの迷路のような形状にしています。迷路形状と重量配分、重量、曲げ耐性の関係性が高いレベルで実現したのが、このTempest F123の目が回りそうな形ということになります。
この理屈っぽさこそが「ROZQ (ロジック)」なのです(笑)
総合的な性能向上
グロ注意
研磨力・安定性・空冷のほか、試作品を試す中で私も試させて頂いたのですが、なんとグズな私、試作品のパッドが回転しているところに指を当ててしまい、爪ごとバッツンと持っていかれました。完全にアホです。回転体に指を当てたらそりゃー怪我しますわ。めちゃくちゃ痛かったですが、不注意もいいところなので納得の怪我。
しかし、この怪我に関しても「私(KEN)以外のお客様もなってしまうかもしれないので極力怪我をしないように形状を変更する事」という指示が入り、外周部の全箇所において試作品よりもテーパー角度を大きくしています。
放熱性や使いやすさなどは改めて動画の方を再チェックして頂ければと思いますが、FLEX XFE7-15などのダブルアクションや、XCE10-8などのギヤアクション、それぞれのコードレスモデルにも対応していますのでぜひ導入を検討して頂きたく思います。※FLEX ギアⅡは明日8/26から発売開始予定です。
Make Japan Great Again
再度申し上げますが、ROZQブランド製品は全工程を日本国内で取り組んでいる希望を込めたブランドになっています。
多くの業界で日本という国のブランド自体が、もはやアドバンテージの意味を為していません。これは今働いている日本人の努力不足であり、そして他の国々の苛烈な努力の結果だと思います。
先人たちが必死になって築き育てた高品質ブランドを自分たちの世代がダメにしていくのは忍びないものがありますし、私たちが働いている現在のような恵まれた環境や社会を次の世代にもつないでいく為にも、メイドインジャパン・クラフトインジャパン・ビルトインジャパンを改めて見直し、お互いに応援しあっていけないものでしょうか。
ROZQブランドの製品は今後も展開の予定で、明日(8/26)よりShineMate EX620系、EB351系用のメタルパッドが発売開始となります。こちらも合わせてご期待下さいませ。