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CATEGORY : STAFF DIALY

バフ選び・ADVANCE 2


前回の バフ選び・ADVANCE1 より続きます。
本文に入る前に、バフの日キャンペーンにおきまして非常に多くのご注文を頂きましてありがとうございました。
バフで最も販売数が上がったのは(まだ完全に集計できていませんが)メルマガでも紹介した「FC-125EB」です。8月4日の段階で500枚前後売れています。このキャンペーンを機に改めてFC-125EBの良さを再実感していただきたいと考えています。また、逆にバフの日にご用意できなかった製品もございます。
前回のバフ選び・ADVANCE1でも紹介したブラックウール(5インチモデル)と、YR138が入荷未定となっております。いずれも非常に人気のバフでございますので、できるだけ早く再販したいと考えています。




本題




2工程目(セカンダリー)で選ぶバフを紹介するのですが、ここで云う「次工程」というのは説明するまでもなく初期研磨(プライマリー)と仕上げ研磨の中間にあたります。工程数から決めてかかるのは当Magazineとして逆説的になりますが、研磨を2(ふた)工程で仕上げる作業であるなら2(に)工程目の工程は不要となります。2(に)工程目=「仕上げ・最終工程」となる訳です。超分かりにくいですねw 説明しにくいですw。
逆に細かく刻んで番手を上げていきたいDetailerさんは3工程目や4工程目も発生するケースもあるかもしれません。厳密に何工程と数える必要は正直ありません。文書や概念を構成・説明する上で便宜上必要なだけです。

さて、前回の基本ルールとなる基本原則を再度確認しましょう。





この2工程目では基本原則の②と③を思い出してください。何を持って仕上げとするかは各社さんがお考えになっているゴールのあり方やかっこよく言えば哲学・ミッションステートメントなどに強く依存します。この辺りの理屈っぽいお話は改めてしましょう。
例えば初期研磨でハイオービットのダブルアクションとロングウールを使用し、まぁまぁのバフ目が入った状態なのであれば、2工程目ではこのロングウールのバフ目を消せる組み合わせでのバフ選びが必要です。逆に結構いい感じにバフ目の残りが少ない場合は2工程目はほぼ撫でて仕上げ工程に移行するか、または一気に仕上げ工程に移行してしまうかですね。





いずれにしてもこの前工程のバフ目を消すことを「リカバリー」と呼んでいます。前工程のバフ目を消す能力が高い=リカバリー性が高いバフ選びになります。
ただし、「リカバリー」はあくまでニュアンスでしかありません。白い破線で区切ったのは各研磨レンジの大まかなイメージで、バフ・コンパウンド・ポリッシャーを組み合わせてそれぞれの工程を合わせていくのですが、各レンジの境界線あたりまで進めているのであれば、次工程での目消しはリカバリーとは言いません。要は不足分を補うという意味合いがリカバリーには込められています。なのでコンパウンドもリカバリー性が高い、とか言いますがポリッシャーではあまり言いません。あくまでニュアンスですが…。




リカバリー性の高いバフとは





上記のグラフはあくまで概念図です。この概念図をベースにバフ選びをしてみましょう。上のピンクの線で進めた初期研磨の工程では「結構いい感じに行けたんじゃね?」といったイメージ。初期研磨でのバフ目が少なく、車体色や傷を確認する環境、次のマッチング次第では次工程で仕上がりそうな状態です。
対して水色の線ではバフ目もしっかり残っている想定です。2工程目でちゃんとリカバリーしないとねといった感じを見て取れるかと思います。このケースの場合は“初期研磨のバフ目をリカバリーする必要性がある”と言えます。ピンク線の場合は“リカバリー”というよりは“仕上げ”を意識してバフ・コンパ選びを行いますが、水色線のケースで“リカバリー”を飛ばして“仕上げ”を意識してバフ・コンパ選びをすると、「あれ?バフ目なかなかきえねー」になったり、最悪仕上げ工程までそのまま進んでしまうと初期研磨のバフ目を消しきれていないまま「2工程目のバフ目が消えない…」となる訳です(この場合は2工程目のバフ目ではなく初期研磨のバフ目が残っており、それを理解していないという意味)。要は研磨レンジが合ってないということになります。





「何言ってんだそんなの分からない奴いないだろ」と思うかもしれませんが、バフ目が消えませんというお問合せのほとんどがレンジのミスマッチです。
初期研磨で何を使ったかによりますが、例えばシングルアクション+ショートウールの組み合わせ等で深い傷を追い、これによるバフ目やオーロラが比較的深く入ってしまったケースの場合などは2工程目でパワーのあるダブルアクションのBR112やLHR15などと組み合わせてロングウールや低反発バフの中でも硬めのバフなどをチョイスすると良いでしょう(便宜上、全て5インチで話を進めます)。
ロングウールと言ってもブラックウールなどでは次工程(3工程目)に残すものが多くなりますのでこの場合はFC-125EBが良いでしょう。低反発ウレタンならGR138やWR138などがおすすめです。








仕上げ(3工程目)では




2工程目と同様にレンジを合わせていきます。仕上げで重要になるのはゴール地点の設定であると考えます。基本原則②にも通じますが、ボディカラーや頂く費用感などによってもこのゴール設定はある程度のスライドが重要だと考えます。理想は全パネルにおいてその会社と顧客が満足するまで仕上げる事にありますが、特別な理由や目的もなく、見合った費用を伴わない作業は確実にその会社をダメにしていきます。この辺りも別のMAGAZINEで説明していきたいと思います。※余談ですが、ディテイリング事業者がここまで拡大している現在、適正な費用とターゲット選定はとても重要になってくると考えます。余計なお世話かとは思いますが、ドキッとした方はぜひ再度ご検討いただくか、BULLETまでお問合せください。
では話を戻します。ゴール地点がいわゆるフルディテールにある場合、選択するバフは選択できる範囲で最も柔らかく、または厚みのあるバフが良いと考えます。つまり仕上げのバフの究極形は柔らかくかつ厚みがあるものになると考えます。もちろん、硬くても薄くても仕上がるバフはありますが、理論上仕上げに適しているのは柔らかく厚みがあってポリッシャーの衝撃を吸収できるバフになります。
基本原則④に基づけば研磨力の低いバフは仕上げに適したバフであるという事になりますが、仕上げに適したバフは柔らかく厚いバフであるとなります。しかしこの「仕上げに適した柔らかいバフ」は一般的に耐久性が低い(塗装面との摩擦に対し、バフ表面または裏面・面ファスナー接合部の破損)という非常に大きなデメリットがあります。ですので基本的には“硬くても仕上がるバフ”を使って仕上げることができるに越したことはありません。
または“硬いバフを使用して仕上がる部分まで”と判断するのも無駄のないディテーリングになります。





私たちがお問合せを受けた際、「仕上げ用のバフはどれですか」とざっくり聞かれることが度々ありますが、概ね回答するのはYR138またはFC-140USを中心に回答しています。ただし、作業する方や作業環境、お客様の目線や愛着度、何より費用感によっては、実はもう少し硬いOR138やFC140/160UKなどを回答してもおかしくないどころか、費用をあまり頂けていない作業の場合はW145でいいんじゃないですかね?と回答するのが実はお客様の為だったりします。適正な費用を頂けていない作業はそのお客様のためにならないからです。例えば磨き1万円で受けた作業に対して耐久性が低いバフを仮に2枚もダメにしてしまったら事業として成立しなくなってしまいます。

BULLETがバカ正直にこんな回答をせずに「YR138で決まりっすねwww」と回答しておけば、もうちょっと利益率も高くなるんだろうなとか考えてしまいますが、私たちが単なるモノ売りではない部分、そして毎年お客様が増え続けている理由がここに集約されています。

初期研磨にFC-125EB、中間にOR138、仕上げにFC140USという代表となるバフがあるにもかかわらず、中途半端に思えるバフがいくつも存在しているのはそういった部分にもあります。FC140UK仕上げて十分綺麗に見えてしまう環境・ボディカラー・低予算であれば耐久性の側面から無理にYR138などの柔らかいバフを敢えて使う愚を犯す必要はないのです。極端に言えばブラックウールで仕上げOKなレベル・費用なら最も利益率は高くなります。

過去のMagzineで同様のことが書いてありました。
https://bullet1959.com/all/diy/1382




今日はここまでにしたいと思います。また次回に続きます。
















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